小学生の頃の話
ある日学校が終わって家に帰ると
お母さんがた台所で料理をしていた。
会社が早く終わったのかな?
いつもよりも早い時間に家にいるなんて
珍しいなぁと思いながら「ただいまー」と声をかけた。
包丁を叩く音が一瞬止まったけど
お母さんは何も言わずに、再びすぐに包丁をトントンと叩きだした。
上司って人に怒られたのかな?
「なんか機嫌が悪そうだ」と直感で思ったものの友達と公園で遊ぶ約束をしていたから、何も気づかないふりをし、すぐさま「行ってきまーす」と言って家の玄関を飛び出していった。
友達と遊んでしばらく経つと、お母さんが公園の前を通りかかった。
機嫌が直ったのか、柔らかい表情をしている。
僕は「おかあさーん」と声をかけた。
お母さんはこっちを向き、僕に気づいてにこっと笑う。
そのままこっちの方へ歩いてきて、「今仕事が終わって帰るところだし、一緒に帰ろうか」と言った。
よかった、機嫌が治ったみたいだ。
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