ある夏の夜、4人の若者が地元の有名な心霊スポットに肝試しに出かけた。
そこは、かつて多くの人が命を絶ったと言われる、不気味なダムだった。
真っ暗な道を車で走り、ダムに到着した彼らを出迎えたのは、言いようのない不穏な空気だった。
しかし、しばらくの間その場に留まっていたものの、特に何も起こらなかった。
肝試しに飽きた彼らが帰ろうと車に乗り込んだ時、一人の警備員のおじさんが彼らを呼び止めた。
「こんな夜中に、若いのに何をしているんだい?」
おじさんの問いかけに、彼らの一人が答えた。
「あぁ、ここが心霊スポットだって聞いて、肝試しに来たんですけど、全然何もなかったっす。」
すると、おじさんは明るい口調で言った。
「そうだろう?何も起こらなかっただろう?」
だが、その直後、おじさんの表情が一変した。
暗闇の中でも、その目が妖しく光っているのが分かった。
「もっと怖いもの、見せてやろうか。」
そう告げた途端、おじさんはダムの方に走り出し、そのまま高い堤防から身を躍らせた。
おじさんの身体が水面に叩きつけられる音が、夜の静寂を切り裂いた。
彼らは愕然とし、恐怖に震えた。
目の前で起こったあまりにも衝撃的な出来事に、しばらく動くことができなかった。
やがて我に返った彼らは、急いでその場を後にした。
車を全速力で走らせ、まるで悪夢から逃げるように、ダムから遠ざかっていった。
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