■ はじめに
山あいや港町、そして霧深い夜道が特徴的な冥ヶ崎(くらがさき)市。その中でも、とりわけ幻想的な霧に魅せられた人々がいるといわれます。彼らこそが**「霧ノ徒(きりのと)」**と呼ばれる緩やかな集団。もとは「霧ノ会」という名前で活動していた時期があったのですが、ある事情から現在の名称に落ち着いたそうです。ここでは、外部から見ても比較的オープンにわかる事柄、街中でささやかれている噂をまとめ、気になる点を解説します。
■ I. 公開されている情報
1. SNSでの活動告知
霧ノ徒の存在を知る人の多くは、まずSNSやオンライン掲示板などで発信される告知を目にします。
- 夜間の散歩・瞑想の呼びかけ
- 週末に霧が出ると予想されるタイミングで、「〇月〇日の夜、○○公園付近に集まりませんか?」というゆるい投稿があり、誰でも自由に参加できるシステムです。
- 会費や正式な入会手続きは一切なく、集まったら各自で自己紹介をするかどうかも自由。
- カジュアルな雰囲気
- 写真を撮り合ったり、「霧がすごかったね」と感想を話して解散するなど、趣味の集まりに近い感覚です。
- 余計な縛りがないためか、多くの人が「面白そうだから参加してみた」程度に気軽に訪れるようです。
2. 大きな害はない“ファンクラブ”感
外部から見ても、霧ノ徒は危険な行為を推奨しているわけではないようで、**「霧の中でただ穏やかに瞑想し、雑談する」**という姿勢が際立ちます。
- 静かに霧を楽しむ
- 霧の出る場所(海沿い、丘、神社境内周辺など)に集まっては、日常の疲れを忘れてリラックスする人が多いとか。
- メンバー同士の交流
- 互いに撮影した霧写真を共有したり、後日SNSで「昨夜の霧すごかったですね!」と盛り上がるのが常。
- 特別な主催者や代表者も見当たらず、本当に好きな人たちが自発的に集っている印象を受けます。

■ II. 噂されている情報
1. 夜霧の最深部に踏み込む“上級メンバー”
一方で、街中には「霧ノ徒にはさらに深い段階に踏み込む者がいる」という噂も絶えません。
- 深夜の濃霧で活動
- 普通の散歩・瞑想とは別に、人気のない廃墟や丘の奥へ向かい、霧が最も濃い地点を探す人が存在するとか。
- そこでは「霧の声を聞いている」とか「自分の魂を霧に溶かす儀式をしている」と囁かれるが、実態は誰もよく知らない。
- 実際に参加した人の証言
- ネット上には「深夜に一緒に行ったが、途中から行方がわからなくなるくらい濃い霧で怖くなり、逃げ帰った」という書き込みが見られる。
- もっとも、事実かどうかは不明で、大半のメンバーは至ってカジュアルに楽しんでいる。

2. 改名騒動
かつては「霧ノ会」という名称で活動していたのに、いつの間にか「霧ノ徒」へと変わった事情がネット上で話題になりました。
- 黒霧会との混同
- 以前から港湾部にある裏組織“黒霧会”と名前が似ており、誤解されるのを避けるため改名をした…という説が有力。
- 当事者たちは「大した理由はない」としか語らず、詳細は曖昧にされている。
■ III. 秘匿されている(ごまかしたい)部分
1. 霧と“物理的に融合する”儀式
一部メンバーだけが行うと噂される“霧との合一修行”は、表にはまったく出てこないテーマです。
- 教団(?)側の否定
- 「そんな大げさなことはしていない。霧の中で瞑想しているだけ」と皆が口を揃えています。
- 実際のところ、深夜2時や3時に“誰もいない”霧の名所へ向かう人がいるかどうかは未確定。
- もし同化が可能なら…
- ネット上の一部では「霧ノ徒のコアメンバーは、この世を超えた存在になった」とする怪しげな書き込みが見られますが、真偽不明。
- 一般的には「単なる都市伝説」として取り合われません。

■ IV. おわりに
霧ノ徒(きりのと)は、ゆるいコミュニティとして地元やSNSでそれなりの支持を得ています。夜霧の美しさや非日常感に魅了され、集まった仲間たちが「写真を撮る」「心を落ち着かせる瞑想をする」といった平和的な活動に終始しているように見えます。
しかし、一部の熱心な参加者にまつわる**“深夜の霧儀式”**の噂は、どうしても耳に入ってくるのが実情です。現実味の薄い話と片付けられることも多いですが、街の奥深くを知る住民の中には、霧そのものが持つ何らかの力を案じる声もあるようです。
少なくとも、外部に向けて公表されている範囲では「危険性のない小さなサークル」程度のイメージを保っている霧ノ徒。興味がある方は、SNSの告知に従って夜の散歩に参加してみると、幻想的な霧の魅力を垣間見ることができるでしょう。深入りするかどうかは、あくまで自己責任——というのが、街の暗黙の了解のようです。